制作期間:2023/3~
担当箇所:システムの設定・開発、ワークショップの運営
使用技術:Unity、Photon Unity Networking 2、Resonance Audio、ARCore Geospatial API
空間的な音の表現を、複数人で即興的に編集・体験できるAudio ARシステム。音をオブジェクトとして捉え、空間に音を”置いたり”空間にある音に”触れたり”する体験を生み出せる。大学院の研究として本システムを開発しており、後述するように本システムを用いたワークショップも開催している。
立体音響とAR技術を活用することで、様々な形の音源(点音源、面音源など)をその場で物理空間に配置したり削除したりすることができる。音源から鳴る音の種類や音源の移動なども設定できる。
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AUDIO AR GAME MAKERの機能一覧(目の見えない人でも操作できるように、スマートフォン画面のスワイプ等で機能を切り替えられる設計としている)
Audio Game Centerの活動の一環として、本システムを用いて目の見える人と見えない人が一緒に音を使ったゲームを作れるワークショップを開催している。これまで京都・東京で3回開催し、のべ30名以上の方々に参加していただいた(ワークショップにおいてはシステム名をAUDIO AR GAME MAKERとしている)。本システムを用いて、音だけを頼りにした宝探しやキャッチボールなどの遊びが考案された。このように音を使った遊びを通して、目の見える人と見えない人が交流する場づくりを目指している。
ワークショップレポート
『DIVERSITY IN THE ARTS PAPER』第14号にも掲載されている。
また、本システムはBitSummit 2023にて展示したほか、中山隼雄科学技術文化財団・2023年度研究成果発表会にてポスター発表を行った。
BitSummit 2023での展示レポート
制作のきっかけ
建築を専攻していた大学時代から、XRや立体音響などの空間に関わる技術を活用して人々の新しい繋がりを生み出せるような場づくりに関心があった。本システムでは特に、目の見える人と見えない人の繋がりを生み出せるような場づくりを目指している。
工夫した点
目の見える人と見えない人の両方にとって操作しやすいシステムになることを目指した。そのために、目の見えない人にも可能な操作方法について仮説を立てたうえでプロトタイプを制作し、実際に全盲の人に使ってもらってフィードバックを受けながらブラッシュアップを重ねた。一方で、目の見える人にとっても分かりやすい操作方法になっていることを心掛けた。これまでにシステムは、大きく3回のバージョンアップを重ねている。
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Photo: Natsumi Kinugasa, Commissioned by the Nippon Foundation DIVERSITY IN THE ARTS
発表・展示
2023/7 | BitSummit 2023(京都市勧業館みやこめっせ) |
2023/7 | BitSummit 2023 ワークショップ(アンテルーム京都):「『AUDIO AR GAME MAKER』でオーディオゲームをつくって遊ぼう!」 |
2023/11 | 中山隼雄科学技術文化財団・2023年度研究成果発表会 ポスター発表(東京ステーションコンファレンス):「音のARを用いた移動型3Dオーディオゲームの開発と実践」 |
2024/2 | 令和5年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業成果発表イベント「ENCOUNTERS」 ワークショップ(表参道ヒルズ):「『AUDIO AR GAME MAKER』でオーディオゲームをつくって遊ぼう!」 |